2015-04-12から1日間の記事一覧
冬瓜 十年の熾火抱えて冬瓜のさみどり君だけを割ると決める 「父はね」と夫が語ればたちまちに初夏の光を宿す胎 花びらを顔へ受けしよ空の破片硝子の羽と否定しながら 父慕う歌流るれば獣園のおまえはガゼル私は駝鳥 故郷に夫と立つたび夫の名を小さく忘れゆ…
冬瓜 十年の熾火抱えて冬瓜のさみどり君だけを割ると決める 「父はね」と夫が語ればたちまちに初夏の光を宿す胎 花びらを顔へ受けしよ空の破片硝子の羽と否定しながら 父慕う歌流るれば獣園のおまえはガゼル私は駝鳥 故郷に夫と立つたび夫の名を小さく忘れゆ…