薫る夕暮れ、わかりはじめる

読んだもの、観たもの、いただいたもの、詠んだ短歌などについての記録。

感想(歌集・短歌)

角川「短歌」2019年10月号

「特集「型」を歌に生かす 五七五七七の本質を知る」。 寄稿しているのは佐伯裕子、春日いづみ、梅内美華子、高木佳子、花山周子、小原奈実、大松達知、島田幸典、堀田季何、安田純生、今井恵子。 ごく大まかに言えば、切り口は二つ。 1,五七五七七という…

黒瀬珂瀾『蓮喰ひ人の日記』

この週末に黒瀬珂瀾さんの第三歌集『蓮喰ひ人の日記』を読み返す機会があったので、この歌集について私が今感じることをそろそろ書き記しておこう、と思う。 今回の黒瀬さんの歌集は1年1ヶ月に及ぶアイルランド、イギリス滞在の期間に書かれたもので、タイト…

井辻朱美『クラウド』

『水晶散歩』以来約10年ぶりの刊行となる、著者の第6歌集。 散文の論理ではない、詩の理不尽な結合力と飛躍力。 大人の「象徴界」ではなく、子どもの「想像界」。 最終的には、そこへ還ってゆくべきなのではないか、そんなふうに思ったのです。 そう語る「あ…