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薫る夕暮れ、わかりはじめる

読んだもの、観たもの、いただいたもの、詠んだ短歌などについての記録。

短歌作品

La Rose et Les Planétes――『星の王子様』のモチーフを借りながら――

2015年9月19日に大阪・十三で開かれたマラソン・リーディング2015 in 大阪 with さくらこカフェ(@カフェスロー大阪)で朗読をさせていただきました。素晴らしい歌人の方々の間に交ざって朗読させていただけて、とても貴重な体験でした。 その際に朗読させ…

冬瓜(「未来」2015年4月号掲載作品)

冬瓜 十年の熾火抱えて冬瓜のさみどり君だけを割ると決める 「父はね」と夫が語ればたちまちに初夏の光を宿す胎 花びらを顔へ受けしよ空の破片硝子の羽と否定しながら 父慕う歌流るれば獣園のおまえはガゼル私は駝鳥 故郷に夫と立つたび夫の名を小さく忘れゆ…

ある朝ある夕

ある朝ある夕 皿を出す音パンの匂いたぶんあれは娘だそろそろ七時半だろう まだ眠りたいからひとり食事する娘に朝のコーヒーをねだるうちのママはなんで面倒見てくれないの?と甘噛むように少女は寝床まであなたを呼んでつま先で背中撫でつつ聞く今日の予定…

題詠blog2014後半(051~100)

《題詠blog2014後半(051~100)》 051:たいせつ はじめての白髪は恩寵のようでたいせつにジップロックにしまう 052:戒 閉ざしたる窓、その内のひとりきりの戒厳令をわたしのために 053:藍 うまいよ、と自慢も出るね女の子用ラケットに藍のテープを巻きぬ 05…

題詠blog2014前半(001~050)

《題詠blog2014前半(001~050)》 001:咲 職場へと送られながら室咲きのサボテンのごとくわらっていたり 002:飲 わたしならゆっくり食べる湯豆腐をひと飲みでたいらげたのだ、夫は 003:育 午後六時 色とりどりのパンプスが保育園の玄関にひしめく 004:瓶 こ…

留守番の日に(30首)

留守番の日に /柳原恵津子 まずは二度寝三度寝をするお姉ちゃんと夫がキャンプへ出かけた朝は 起きようとせがむ妹もくすぐって笑い転げる鈴でいてもらう ひとりでは食事の時間も曖昧で太陽のすすみ具合など見る 〈夫〉だとか〈パパ〉だとかいう水鳥の羽根積…

カステラのような(題詠blog2013・041~050)

カステラのような(題詠blog2013投稿作品) ほろほろと刺せば崩れるカステラのような感情が胸にある(041:カステラ) そっちへは行きたくないなこの若葉の並木抜けたら焼けあとの家(042:若) ガムテープを慣れた手つきで剥がしては両目の上に何枚も貼る(04…

話はおよぶ(題詠blog2013・031~040)

話はおよぶ(題詠blog2013投稿作品) ブブー、はずれ、と三度に二度は言わせつつ湯船の中のクイズ延々(031:はずれ) けらけらと体くねらせ笑う子のこの眼 時には獰猛なこの眼(032:猛) 夕張メロンソーダの壜を捨てず子は夏、秋、冬と風呂に浮かべて(033…

万国旗の下(題詠blog2013・021~030)

万国旗の下(題詠blog2013投稿作品) 石段で靴を脱いでは履かせあい夢が光りあう仲いとこは(021:仲)みぞれ梨ジュースふたりで分け合って君の5歳の秋を見送る(022:梨)笑ったり笑わなかったりする母を子は不思議そうに見上げていたり(023:不思議)神妙な…