話はおよぶ(題詠blog2013・031~040)
話はおよぶ(題詠blog2013投稿作品)
ブブー、はずれ、と三度に二度は言わせつつ湯船の中のクイズ延々(031:はずれ)
けらけらと体くねらせ笑う子のこの眼 時には獰猛なこの眼(032:猛)
夕張メロンソーダの壜を捨てず子は夏、秋、冬と風呂に浮かべて(033:夏)
困ったという顔すれば勢いをいよいよ増して飛んでくるお湯(034:勢)
ひとしきりお湯で遊んで子を抱けば話はおよぶ今日の後悔に(035:後悔)
園のことを聞けばおおむねはきはきと時に言葉少なに吾子は(036:少)
君の心を哀とか恨と名づけかけて君の表情のまま覚える(037:恨)
はい、ならば言えるがイエス、とは言えぬ私の母語の暗闇のこと(038:イエス)
ビービー弾を丸めたティッシュに詰め替えて湯上りの銃撃戦よけれ(039:銃)
やすやすと裸でいるなと湯上りの姉妹にそれは誇りと言えど(040:誇)