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薫る夕暮れ、わかりはじめる

読んだもの、観たもの、いただいたもの、詠んだ短歌などについての記録。

ゾートロープの庭(題詠blog2013投稿作品)

ゾートロープの庭(題詠blog2013・051~070)

 

「一般のお客様」として美術館に列なす時の船に乗る心地(051:般)
ジブリの森の入り口は地下 石段をフラットダブルフラットとくだる(052:ダブル)
受付の椅子に大きなトトロいて子は目をきらめかせつつ、止まれり(053:受) 


翡翠色のドアノブ、クランク、ステンドグラス 猛き商人の夢の城はも(054:商)
おさな子が覗き、聞き、くぐるその後を「もう駄目」と言いながら追いたり(055:駄目)
立て膝で小窓覗けば善き作業場のレプリカみかん箱など積まれて(056:善)
盛も衰ももう昔、されどゾートロープ塔を鳩らは飛びたちてやまず(057:衰)
ねこバスに頬ひからせてのぼる子の秀でてはおらぬそののぼりっぷり(058:秀)


蔦の這うらせん階段を永遠に永遠に空へとのぼりゆく(059:永遠)
天空の庭にすすきの穂は揺れてただ手をつなぎおり何もいわずに(060:何)
獣にも人にもあらずオリーブより大きなロボット兵が神なりき(061:獣)
ウル・ラピュタの氏にすこしだけ焦がれその紋章に君と触れたり(062:氏)
ホットドッグとポテトとスープをこれ以上食べられぬほど地上で食らう(063:以上) 

壁一面にキキのソフィーのイメージ画がありて描くとは甘美なる刑(064:刑)
カタカタとフィルムまわして子は去りぬわたしも真似て像を投じる(065:投)
きれいだね,]きれいだね、と繰り返すふたり指紋を合わせるように(066:きれい)
透きガラス観ればひらめく闇ありて気がつけば子を待たせておりぬ(067:闇)
ねこバスのキーホルダーと付箋紙を兄弟はおみやげに選んで(068:兄弟) 


帰り口がないなんて幻視 係員に訊けば意外な場所を指さす(069:視)
降り止まぬ柿の落ち葉をくぐりゆく私は君を語りてゆかな(070:柿)