カステラのような(題詠blog2013・041~050)
カステラのような(題詠blog2013投稿作品)
ほろほろと刺せば崩れるカステラのような感情が胸にある(041:カステラ)
そっちへは行きたくないなこの若葉の並木抜けたら焼けあとの家(042:若)
ガムテープを慣れた手つきで剥がしては両目の上に何枚も貼る(043:慣)
IKEAより日本の家具が頃合いで表情も大きくはないだけ(044:日本)
お喋りをしていて欲しい種ほどの憎しみが空を裂かないように(045:喋)
稜線を見れば泣くから電車待つ間は東ばかりを向いて(046:間)
庭師には庭師の心 繋がらずあった電話も恩恵と思う(047:繋)
感傷は尽きぬが南アルプスの水を飲む 東から来る客車(048:アルプス)
憎むべきものは見えねば憎しみをひと括り 匂いすぎる残飯(049:括)
居住地をメールし終えて西の空東の空を交互に眺む(050:互)